奈良県では古くから「吉野林業」と呼ばれる密植、多間伐、長伐期施業に代表される集約的な林業が進んだことから、奈良県産の木材は年輪幅が狭く均一で、見た目にも美しく、強度に優れ、建築用材として高い評価を受けてきました。 奈良県地域認証材は優れた品質を備えた奈良県産のスギ・ヒノキを使用しています。
一般的には1ha当たり3,000本程度を植林しますが、奈良県の木材主産地である吉野地方では1ha当たり8,000本から10,000本程度植林されてきました。
密植することにより、幼齢期に幹を太らせずに高さを伸ばすことができ、その後、弱度の間伐を繰り返すことによって年輪幅が密で均一な強い材料をつくります。
一般的には1ha当たり3,000本程度を植林しますが、奈良県の木材主産地である吉野地方では1ha当たり8,000本から10,000本程度植林されてきました。
密植することにより、幼齢期に幹を太らせずに高さを伸ばすことができ、その後、弱度の間伐を繰り返すことによって年輪幅が密で均一な強い材料をつくります。
「間伐」という言葉を耳にされたことがありますか? 長い期間に少しずつ何度も木を間引く ことで、年輪幅が均一な優良材に育ちます。
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吉野地方は、室町時代(1500年頃)にすでに造林を行っていた記録のある、古くからの林業地帯です。
吉野林業の特徴は、極端な密植と弱度の間伐を数多く繰り返し、長伐期とする施業にあります。これにより生産された木材は、長らく樽丸・酒樽の生産を目的としてきましたが、建築用材としても、「吉野材」として市場で珍重されています。
その発達の過程における借地林業制度や、これにより基礎づけされた村外森林所有者による経営、これにともなう山守制度(管理制度)なども大きな特徴の1つです。
借地林業制度・・・土地の所有権と使用収益権を分離する方法を指します。借地契約方法(地上権設定)には、立木一代限り・定期・年限一代限りがあります。(現在は一部でしか見られない制度です。)
山守制度・・・借地林業制度の発達と村外所有者の山林所有の移行に伴ってできた管理組織のことです。一般に村外所有者が、山林所在の地域住民を山守とし、保護管理を委託しました。山守の職務は、山林の保護管理から植栽、手入れ、間伐等の労務及び資材の調達、労務者の指揮管理まで及びます。借地林制度が崩壊しているのに対し、山守制度は、森林を経営していく上で山林所有者・山守双方ともメリットがあり、現在も機能しています。
吉野材の材質の特徴
年輪幅が狭く均一/通直・完満・真円(幹が真っ直ぐで、よく太り、年輪が真ん丸なこと)/無節/木質が良い/渋抜き※(葉枯らし)により目色(淡紅色)が良い/本末同大(根元と上部の幹の太さがあまり変わらないこと。)
※一般にスギには渋抜きを行うが、ヒノキには行わない。